畑わさびの害虫
春にホームセンターで畑わさびの苗を購入しました。
栽培方法をネットで調べると、なんと、日陰で温度が低い場所が好きなんですね。
畑での栽培は無理そうなので、庭に遮光率80%の遮光ネットで栽培場所を作りました。
こんな場所で育つのかと思いきや、とても元気に育っていたのですが、何日か前から異変が…。
葉にところどころ穴があいております。
早速、ネットで調べてみますが、畑わさびを育てられている方々が少ないのか、これだと思う情報が見つかりません。
それなので今後に役立つように少しでも情報を残しておきます。
葉の表面には穴が空いている以外、病気のような模様や斑点などはありません。
葉の裏を見てみると、犯人がいました!
幼虫を割りばしでつかみ、紙の上に置こうとしましたが、幼虫から細い糸のようなものが出ていてそれが割りばしにくっついて簡単に離れませんでした。
幼虫は2匹見つかり、体長は6~8mmくらいです。
幼虫を置いた紙を小さく丸めてゴミ袋に捨てました。
考えられのは、ナトビハムシか、ワサビルリイロサルゾウムシでしょうか。
アブラムシのようなものがいましたので、自作の唐辛子スプレーをかけ、株元にアブラムシが嫌がるアルミホイルを敷き詰めました。
これでどうなるか、様子を見てみます。
日本茜の新芽
日本茜の棘(トゲ)
植物が育つために必要なものは、太陽の光と水と土です。
太陽は、当たり前のように約50億年近く、光を地球に届けています。
地球は、海水から蒸発した水分を雨として降らせます。
土がある場所に育つ植物は、光と水を当たり前のように享受でき、なんて穏やかな生物なんだろうかと思えてしまいます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
答えは、NOです。
植物は、光と水と土の資源を確保するために、熾烈な戦いを繰り広げています。
植物が上へ伸びていくのも、葉を茂らせるのも、他の植物より有利に光合成をするために光を奪いあっているからです。
土の中では、さらに過酷な戦いが繰り広げられています。
植物は水分と栄養分を吸収するために根を張り巡らせ、他の植物と陣地の奪い合いをしています。
穏やかな世界で生きているように見える植物も、他の生物と同じように弱肉強食の世界を生き抜いているのでしょう。
こちらは日本茜の茎の画像です。
びっしりと小さい棘(トゲ)が茎にあるのが、わかるでしょうか。
葉にもありますが、棘は触っても痛くありません。
日本茜はこの棘を周りの植物に引っ掛けて茎を上に伸ばしていきます。
多くの植物は、自分の茎で立ち、葉を展開しても倒れないように茎を硬く、丈夫にしながら成長する必要があります。
しかし、つる性植物に属する日本茜は茎を硬く丈夫にする必要がありません。
その分のエネルギーを数多く分枝させ、伸ばすことに使っている為、茎はとても華奢で簡単に折れてしまいます。
本当に簡単に折れちゃうんです。
日本茜は、棘を身につけ他の植物よりも有利に光を浴びる戦略をとりました。
圃場の日本茜は、敵がいません。
しかし、その習性から自分の茎同士を絡め合って上に伸び、その形は山のようになります。
梅雨はもうすぐ開け、夏本番。
今年の日本茜の成長は、すごそうです。
茜染め手まり
日本に古くから伝わる玩具のひとつ、手まり。
その手まりを草木染めで染めた糸で唯一無二の球体アートとして展開されているのが、NONAさんです。
「NONA(ノナ)」とはラテン語で「9」の意味を持ち、その数字の9という音に「球」手まり、「久」永遠に続くという意味が込められているようです。
素敵な名前ですね。
この度、縁あってNONAさんに私が栽培している日本茜を使っていただき、先日、その日本茜で染め上げた糸を使った手まりキットをNONAさんからプレゼントされました。


作り方は説明動画が用意されているので、その通りにいざ!
初めてのことなので、最初はおぼつかない糸の巻き方でしたが、だんだんと慣れていきます。
慣れてくると、どうしたら形の良い丸になるように糸を巻けばいいのかが、わかってきます。
丸くなるように糸を巻くだけに集中し、一切の雑念が無い、無の境地になります。
病みつきになりそうです(笑
出来上がったのが、こちらです。
丸く仕上げられました!
草木染で用いる繊維は、2種類あり、それぞれ特徴があります。
動物性繊維:ウール、シルクなどで色が濃く染まる
植物性繊維:コットン、麻などで色が薄く染まる
NONAさんの日本茜で染め上げた手まりキットの糸は、コットン(木綿)なので、緋色ではなくピンク色に染まるのです。
私が今まで見てきた、日本茜で染めたコットンの中で一番、素敵な色でした。
NONAさんのホームページには、素敵な手まりがたくさん紹介されていますので、是非、ご覧ください。
日本茜の開花
時は梅雨のまっただなか、6月17日。
日本茜の開花を確認しました。
例年なら、8月中旬から9月初旬の開花が、2ヵ月ほど早く開花しています。
なぜ?
理由は2つ考えられるでしょうか。
植物は花を咲かせるために花芽をつけ、この花芽が成長して花となります。
この花芽をつけるためには、十分に成長して力を蓄えていなければなりません。
したがって、ひとつめの理由は改良した土壌環境が功を奏し、ものすごい成長をしたから。
植物が毎年ある季節に花を咲かせるのは、日の長さや温度を感じているからです。
今は6月の中旬ですが、既に気温が35度を超える日が何日かありました。
そこで考えられるふたつめの理由は、例年より気温が高いから。
例年より早い開花は、そのふたつのうちのどちらか、または、そのふたつが重なったからと考えられます。
今後の成長を注意深く観察したいと思います。
ただ、気温に関して気になることが…。
気象庁の発表では、今年はスーパーエルニーニョ現象が発生する可能性が高いようです。
過去、スーパーエルニーニョ現象が発生したのは3回だけ。
そのどれもが、異常な暑さとなり、集中豪雨などの災害を発生させています。
そして、今年のスーパーエルニーニョ現象は、過去最大級との予想だそうです。
例年より早い日本茜の開花が、異常気象につながらないことを祈るばかりです。
日本茜の種は気まぐれ?
早春の2月下旬に日本茜の種を圃場に直播きをして、最初に発芽したのが3月20日。
それから順調に成長し続けています。
しかし、ここに写っている日本茜の株は、試験用に植えたもののため、可哀想ですが成長途中で全て掘り上げる予定です。
日本茜の種は自然環境の中では一斉に発芽しません。
最初の発芽から約2カ月半経過した今でも発芽が続いています。
発芽が揃わないのはまだしも、個々の種の発芽の時期が何カ月もずれるということが、日本茜の特徴のひとつです。
そして、発芽率も決して良いとは言えません。
絶滅しないために発芽のコントロールをしているように思えてしまいます。
生き残るため、このような戦略を日本茜はとっているのでしょうか。
戦略は戦略として夢のあるものとして置いておき、発芽しない原因を考えてみます。
発芽には、基本の3要素が必要です。
「水」と「空気(酸素)」と「発芽に適した温度」。
すでに発芽しているので、この3要素については問題ありません。
次に種を蒔く深さ。
植物には発芽するときに光のエネルギーを必要とするものと、逆に光があると発芽しないものがあります。
光を必要とするものが、好光性種子(こうこうせいしゅし)。
好光性種子の場合、種を浅めに埋める、もしくは土の表面に置きます。
光が必要でないものが、嫌光性種子(けんこうせいしゅし)。
嫌光性種子は種を深めに埋め、日光があたらない暗い状態にします。
しかし、これも関係ありません。
以前に比較実験をしており、種の埋める深さを変えて検証ましたが、発芽率の違いは見られませんでした。
次に硬実種子の問題。
硬実種子とは、種の外皮が硬いために水分を吸収しにくく、発芽のスイッチが入りにくいもので、アサガオやインゲンの種がこれにあたります。
硬実種子の場合、種の一部をカッターなどで傷をつけ、水につけてから蒔くと発芽しやすくなります。
しかし、これも関係ありません。
日本茜の種に傷をつけても、発芽率に変化はありませんでした。
…となると、現代の解明されている化学において原因が絞られてきます。
植物ホルモンでアブシシン酸といものがあります。
このアブシシン酸は、成長や種子の休眠をコントロールする役割があります。
もうひとつ、植物ホルモンでジベレリンというものがあります。
このジベレリンには、発芽を誘導し促進させる役割があります。
アブシシン酸がジベレリンより量が多ければ、発芽を抑制し休眠に誘導させるが、逆にジベレリンの方が量が多ければ、発芽に向かうということです。
どうやら、それぞれのホルモン量の比率が、発芽に影響している可能性が高いようです。
しかし、それが答えだとしても更なる疑問が湧いてきます。
なぜ、個体ごとにホルモン量の比率を変えているのだろうか。
ここまで来ると、答えは神のみぞ知るですね。
いずれにせよ、「日本茜の種の発芽は気まぐれ」ということは間違いないでしょう。
5月に咲いた花
我が家の花壇で5月に咲いた花をご紹介します。
まずは、チャイブ。
ニンニクの風味がするネギの仲間ですが、私は花壇の手入れをする時にこのチャイブをつまんでパクパク食べながら作業をしています(笑
薄紫色の花が咲きますが、これも食べられようです。
次は、ジャーマンカモミール。
どこからか種が飛んできたのでしょうが、自然に生えてきました。
花は、ハーブとして用いられます。
次は、セダム(マンネングサ)。
非常に丈夫で根が少しでも残っていれば、どんどん繁殖していきます。
黄色い花が素敵です。
次は、オリーブ。
オリーブが開花している期間は非常に短く、花を見たことがある人は少ないかもしれません。
今年はたくさんの花が咲きましたが、雨が降ってしまい、花も落ちしてしまいました。
どれ位の実ができるか、楽しみです。
実ができたらオリーブ酒を作る予定です。
その時には、またご紹介いたしま~す。
ネギの苗からネギ坊主
春に植え付けたネギの苗から、ネギ坊主が出ました。
えっ!? ネギ坊主って成長したネギから出るものじゃないの?
そう思う方も多いですよね。
そもそもネギ坊主とは、ネギの花のこと。
ネギ坊主ができるということは、子孫を残すための花を咲かせることにエネルギーを使う為、ネギ自体の成長が止まり、味が落ち、食感が硬くなります。
成長が止まることを意味するネギ坊主が何故、苗にできるのでしょうか。
ネギの苗の植え付けは、春と夏の2通りの方法があります。
・秋に種まきしたものを春に植え付ける
・春に種まきしたものを夏に植え付ける
今回のネギ坊主は、秋に種まきして春に植え付けた苗にできたものです。
通常、春の苗の植え付け時期は、3月~4月で春の到来とともに暖かさを感じる頃ですね。
しかし、春には「寒の戻り」というものがあります。
ようやく暖かくなってきたところに、一時的に寒さがぶり返す現象で「花冷え」とも言いますね。
そして「寒の戻り」の後には、再び暖かな日々に戻ります。
ネギは、このような状況下で太い元気な苗が成長している場合に限り、春のネギ坊主が出ることがあります。
一体何故でしょうか?
ネギの立場になって考えてみましょう。
…春の到来とともに暖かくなり、寒の戻りで寒くなり、再び暖かくなる…
ネギからすると暖かい季節が終わり、冬が訪れて、そして春になったと解釈しているのです。
そのため、子孫を残そうと花を咲かせる準備をするのです。
実際、夏に植え付けたネギの収穫は冬の1月~2月であり、3月になっても収穫されていないネギにはネギ坊主ができます。
冬を超えたネギは春の到来に合わせ、花を咲かせ子孫を残そうとするのです。
そうなんです…春に植え付けた元気な苗は、寒の戻りによりそれと同じことをしようとしているのです。
ちょっとやるせない気がしますが、それも植物の生命力の強さならではのことです。
さて、ネギ坊主ができた時の対処方法ですが…1本ネギ(長ネギ、白ネギ、根深ネギ等)の対処法は、残念ながらありません。
ネギ坊主ができた時点で収穫するしかありませんが、蕾の状態なら蕾自体は食べることができ、天ぷらがおすすめです。
私は生で食べてしまいますが・・・
よろしかったら、お試しください。
卯月の日本茜
卯月(4月)の日本茜の状況を表す2枚の画像をご紹介します。
畝で育てている2年目の日本茜です。
株元から芽吹いた、たくさんの新芽が我こそはというように成長を競い合い、幅1mの畝を覆いつくしそうです。
畝の横の通路に生えている日本茜がおわかりになりますか?
これは、こぼれ種で増えたものではありません。
畝の下に張り巡らされた根が通路側まで伸び、そこから新芽が出たものです。
もの凄い増殖力です。
こちらは、種を直播きした苗床です。
いち早く発芽したものは、順調に良い苗に育っています。
それとは別に、今でも毎日、新たな発芽が続いています。
日本茜の発芽の特徴のひとつでありますが、発芽の時期が揃いません。
すんなりとはいかない日本茜の栽培ですが、それもまた育て甲斐があります。
ファイナルフロンティア
世界初の民間会社による月面着陸が失敗に終わりました。
チャレンジに拍手を送りたいです。
どれほどの準備と、どれほどの情熱が込められていたかは想像に難くありません。
チャレンジは再び訪れると考え、失敗を宝物にしてもらいたいです。
「ファイナルフロンティア」
未開の領域という意味ですよね。
私が活動している植物の栽培という分野でも書籍やネットで情報収集するに際、多くのファイナルフロンティアが登場します。
「植物」はファイナルフロンティアです。
「土(土壌)」はファイナルフロンティアです。
「微生物」はファイナルフロンティアです。
私が活動している分野の世界だけでも3つのファイナルフロンティアがあります。
それ以外にも、「海洋」、「地震」、「気候」、「宇宙」・・・いろんな分野でたくさんのファイナルフロンティアがあることでしょう。
このことは、「現時点で人間は理解できていないことがほとんどである」ということを示していることになります。
そう、人間は何一つ、真理を知り得ていないということです。
だけど、人間はそんなことは気にしない。
地球の中でよくわからないことがあっても気にしない。
ファイナルフロンティアの宇宙に生命の継続のためへの道を探すために目の前の課題をクリアしていくことが宿命かのように思えます。
人間は他の哺乳類動物とは一線を画している生物であることは間違いないと思えます。
何故か・・・人間は、他の生物を意図的に増殖させることができるからです。
「植物の栽培」、「動物の繁殖」、「魚類の養殖」など、人間の食料を確保するための技術を習得しました。
人間は唯一無二の存在のように思えてしまうのも当然です。
ですが、私はそうは思えない。
人間は唯一無二の生物ではないのです。
人間は体内に生息する他の生物と共存することで生きて、はじめて人間なのです。
その共存する生物は、微生物です。
ある意味、人間は微生物により生かされていると言っても過言ではないかもしれません。
人間の個々の性格や行動は、その人間と共存している微生物に影響されているということは、現在の科学で研究されています。
「微生物」はファイナルフロンティアのひとつです。
でも、人間はその真理を知り得ていません。
最近やたらと耳にしますが、ChatGPTというAIをご存じの方は多いかと思います。
ブラウザ版で利用するのが面倒とお考えの方は、LINEでChatGPTが利用できる「AIチャットくん」をおすすめします。
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方法は簡単で、「AIチャットくん」を友達に追加するだけです。
なんでもすぐに回答を返してくれる「AIチャットくん」ですが、先日、次の質問をしたところ、返答に5分近くかかりました。
「生きるって何?」
何故5分近くもかかったのか、理由はわかりませんが、なるほど・・・と納得できる回答に自分の人生を重ね合わせて考えさせられました。
今日のニュースで50年後の日本の人口は8700万になるという推計がでておりました。
私は生きている可能性は低いですが、その頃には月面に暮らしている人間がいてもおかしくないんでしょうね。